同行援護サービスを提供する株式会社mitsukiは、オウンドメディア「Spotlite」を通して視覚障害に関する情報発信を行っています。ペリュトンは、2022年より同メディアの戦略立案からコンテンツ制作、効果検証まで幅広く支援してきました。
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今回は、ペリュトンへの依頼のきっかけや効果などについて、株式会社mitsuki代表取締役の高橋昌希さんにお話を伺いました。
<ポイント> – 利用者増・ヘルパー増を実現 – PVは10倍に増加 – メディアがきっかけで、代表が全国不動産協会で講演、ラジオ出演 |
高橋昌希さん
株式会社mitsuki代表
広島大学教育学部卒。国立障害者リハビリテーションセンター学院修了後、神奈川県ライトセンターにて、視覚障害者への生活訓練や訪問指導、ボランティア養成講座での講師業務などに従事。2018年に独立し、株式会社mitsukiを起業。同行援護事業所みつきで同行援護サービスを提供する傍ら、視覚障害者向け情報発信メディア「Spotlite」での情報発信にも精力的に取り組む。香川県網膜色素変性症協会副会長。
必要な人に情報が届かない状況を解決したかった。メディア立ち上げの経緯

ー貴社の事業の概要について教えてください。
高橋 視覚障害者の外出に利用できる同行援護事業が中心です。そのほか、同行援護の業務システム「おでかけくん」の開発・提供、イベント開催など、視覚障害者の日常生活における困りごとや事業者の困りごとなど、業界全般に貢献したいと思い、幅広く携わっています。
ー同行援護事業に軸を置きつつ、オウンドメディア「Spotlite」での情報発信にも精力的に取り組まれています。同行援護事業所である貴社がメディアを立ち上げられたのは、どんな経緯でしたか?
高橋 代表である私自身の2つの体験が動機となっています。
1つは、視覚障害者向け福祉施設で働いていたときの経験です。
当時、視覚障害者に白杖の使い方や点字の読み方、音声パソコンの使い方などをお伝えする仕事をしていました。そこで目の当たりにしたのが、必要な情報が当事者に届くまですごく時間がかかる現実です。
視覚障害者の生活を支援する制度やツールは数多く存在していますが、それを届けるための情報発信はまだまだ不十分でした。ただでさえ苦しい立場にいる人が、自発的に情報を取りに行かなければ必要なサポートが受けられない。そんな状況に強い問題意識を覚えていました。
もう1つは、起業してからの体験です。ヘルパー派遣や視覚障害のあるアスリートの支援事業を始めたのですが、そこでもやはり、限られた人にしかサポートが届かないことに課題感を覚えました。
事業所の利用者さんやそのご家族には支援ができるのですが、直接関われる人は視覚障害者全体の数から考えればほんの一部なんですよね。自分たちが出会えていない当事者の方々に対してはアプローチできないことを、歯がゆく思っていました。
視覚障害者の情報環境を改善し、私たちの事業所で直接関われない方々も含めてより多くの方に必要な情報を届けたいという想いから、メディアを立ち上げました。
ー当社が支援する前のSpotliteの状況について教えてください。
高橋 立ち上げ当初は、視覚障害者、ガイドヘルパーと私の3人で運営していました。3人で取材に行って、私が文字起こしと執筆をして、それぞれの視点から表現や構成に修正を加えて……と、手探りで進めていましたね。
1本の記事を書くのに40〜50時間かけていた

ー当時の課題はどんな点でしたか?
高橋 3人ともメディアに関しては素人の状態から始めたので、制作にものすごく時間がかかっていました。1本の記事を書くのに40〜50時間はかけていたと思います。当時は1本の記事を公開するまでに必要な工程もよくわかっていなくて、企画、アポ取りから、取材、執筆、編集、入稿まで、必要な作業の多さに圧倒されながら進めていました。
ー社外のパートナーへの依頼を考えた理由を教えてください。
高橋 大きく分けて2つあります。
1つは、より情報発信の質を高めたいと考えたことです。私たちは視覚障害や同行援護の専門家ではあっても、メディアに関してはノウハウがない状態でした。もっと多くの人に情報を届けるためには、「メディアのプロ」の力が必要だと思ったんです。
もう1つは、メディア運営に割けるリソースが減ってきていたことです。利用者さんが増えるにつれて同行援護事業が忙しくなってきて、自分たちの時間をSpotliteの記事制作にかけられなくなってきていました。
ーほかの選択肢もある中で、当社に依頼された決め手は何でしたか?
高橋 Spotliteのビジョンに合った支援をしていただけると考えたからです。代表の川満さんが福祉の領域に精通されていること、ルポや取材などご自身で足を運んで書かれた記事の実績が多いことなどから、「現場にいる人の想いを届けたい」という私たちの価値観に沿ってご支援いただけるのではないかと思いました。
本業に割ける時間を増やしながら、PVは10倍増に

ー当社が支援させていただき、オウンドメディアのリニューアルを経て、取材記事やSEO記事など合わせてこれまで150本以上の記事を一緒に制作してきました。依頼して良かった点を教えてください。
高橋 まず、当時は正解がわからないまま運営していたので、「どうすれば多くの人に情報が届くか」という根本の戦略から一緒に考えていただけるのはありがたかったですね。
テーマ設定から取材、撮影、執筆、そして公開後の効果検証まで、幅広くご支援いただき感謝しています。
ー当社に依頼してみて、どのような変化がありましたか?
高橋 記事制作にかかる時間を短縮しつつ、より良いコンテンツを作ることができるようになりました。また、自分たちで書いていたときは、同行援護事業との両立が大変でした。ペリュトンさんに入っていただいてからは工数が大幅に削減でき、そのうえでメディアとしての効果も高めることができましたね。
当時は大変でしたが、はじめのころ自分たちでどうにか試行錯誤したことで、プロに頼む意義も実感できたのはよかったです。一通り流れを理解でき、ペリュトンさんと制作を進めるときも、具体的な作業イメージを持ちながら相談できていると思います。
ー数値での具体的な効果についてお聞かせください。
高橋 支援いただく前と比べるとPVは10倍以上に伸びています。約70キーワードで検索上位3位以内を獲得していて、視覚障害のメディアとしては最大手にまで成長したと自負しています。
PVの伸びと連動して、問い合わせ件数も大幅に増えました。最近では、利用者さんとヘルパーさん合わせて、月に20〜30件ほどのお問い合わせをいただいています。
ー数値以外の面で、感じたことはありますか?
高橋 一つひとつの施策の意義について理解が深まりました。
例えば、私はもともとSEO記事の効果については懐疑的だったんです。「言葉の意味やノウハウをまとめただけの記事なんて本当に読まれるのか?」と。でも、実際ペリュトンさんと一緒に記事を作ってみて、考え方が変わりました。一緒に議論しながら、読者の悩みを想像し、検索キーワードを選定し、必要な情報を的確にまとめることで、PVやSNSでの反応は着実に増えました。そういう一連の工程を通して、SEO記事ならではの意義を理解することができました。視覚障害者の情報環境を改善してより多くの人に情報を届けることが目的なので、やって良かったと思っています。
記事をきっかけにセミナー登壇やラジオ出演の依頼も

ーSpotliteに対する読者からの反響について教えてください。
高橋 PVやお問い合わせ数の伸び以外にもたくさんの効果が出ています。例えば、視覚障害者の一人暮らしや引っ越しの困難さについて問題提起した記事を作ったときには、不動産関係の方から「記事を読んで、視覚障害者が賃貸物件を借りるときの課題に気づかされました」とご連絡をいただきました。それから全国不動産協会さまのセミナー登壇につながり、全国の不動産業者の方々に向けて視覚障害者の課題を直接お伝えすることができました。このように、記事が思わぬ効果を生んでいます。
最近だと記事を読んだ方からの依頼でラジオ出演の機会をいただくなど、Spotliteを起点にしてアプローチの幅をどんどん広げられていますね。
ー幅広い読者からの反応を得られている理由は何だと思いますか?
高橋 他の業界の方からも反響をいただけているのは、ペリュトンさんの力が大きいと思います。自分たちで書いていたときは、ついつい業界人向け寄りのコンテンツになっていました。
ぺリュトンさんは、メディアのプロとして「この単語は福祉の世界ではよく使うけど、一般的にはこちらのほうがわかりやすい」といったようにアドバイスをくださるので、本当に助かっています。
質の高い記事を作っていただけるのはもちろん、音声や動画などさまざまな選択肢を含めた総合的な支援をしてくださるのがありがたいです。
こちらからのオーダーで記事を書くだけではなく、企画を持ち込んでくれたり、必要な知識を自主的に学んでくれたりなど、単なる受発注の関係ではない、「一緒にメディアを育てていこう」という姿勢が本当に頼もしく感じます。
ー採用や利用者さんの安心感といった面でも、効果は感じられましたか?
高橋 Spotliteを通して私たちのビジョンや価値観を発信していることで、「理念に共感しました」と言ってヘルパーに応募してくださる方や、「こういう考え方で運営されているので安心して利用できると思った」と言ってくださる利用者さんがいらっしゃいます。長期的に見たブランディングの効果も得られていると感じます。
まずは記事1〜2本、試しに頼んでみるのもおすすめ

ー今後、Spotliteをどのように発展させていきたいと考えていますか?
高橋 最終的には、視覚障害に関する基本的な情報はすべてSpotliteで得られる状態を目指しています。営利・非営利に関係なく、視覚障害者や支援者の役に立つ情報はすべて発信していきたいですね。
これまではテキスト中心でしたが、今後は音声や動画など、いろいろなメディアを組み合わせていきたいと思っています。どんな情報が受け取りやすいかは人によって異なるので、なるべく多様な形で発信することで、今以上に広い層に情報や想いを届けていきたいです。
ーメディアを通して実現していきたいことを教えてください。
高橋 視覚障害者の職種が限られている現状に問題意識を感じているので、Spotliteが仕事を増やす役割も担えたらと思っています。
以前、国立の筑波技術大学で、視覚障害や聴覚障害のある方向けにSpotliteの活動についてお話しする機会がありました。参加してくれた学生さんが、「ライターの仕事に興味を持ちました」と声をかけてくれたんです。このように、障害のある方々に「できるかも」と思ってもらえる仕事を増やしたい気持ちがあります。
記事の制作には文字起こしやライティング、編集、撮影、ディレクションなど多くの仕事があります。Spotliteが仕事を作ることで、視覚障害者の職業選択の幅を広げることにも貢献していきたいです。
ー最後に、メディア立ち上げを検討している福祉事業所に向けてメッセージをお願いします。
高橋 メディア制作の経験が全くない事業所さんの場合、まずは採用向けの先輩インタビュー記事の制作などを1〜2本、試しに頼んでみるのもおすすめです。最初から完璧なメディアを作る必要はありません。スモールスタートで、プロと一緒に試行錯誤しながら育てていくといいと思います。
ペリュトンさんはすごく柔軟に対応してくださるうえに、メンバーのみなさんの福祉に対する造詣が深いので、記事制作やWebマーケティングの経験がない福祉事業所の方でも安心して相談できると思いますよ。
画像提供:株式会社mitsuki
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